「親の介護が必要になったけれど、どこに相談したら良いのかわからない」「介護者は自分一人だけど、誰かの支援を受けられるのか」など、いざ介護が必要な状況になったものの、わからないことが多く不安に感じることはありませんか。
今回の記事では、介護の相談先について紹介します。
今すぐに親の介護が必要な状況ではないが、将来に備えて知っておきたいという方にも役立つ記事となっていますので、参考にしていただければと思います。
介護の相談ができる窓口
本記事では、7つの相談先を紹介します。
それぞれの特徴もお伝えするので、目的に合った窓口に相談しましょう。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で円滑な生活が送れるよう支援する総合相談機関です。関係各所と連携し、生活のサポートを行います。
「まず何から相談したら良いの?」「介護保険を申請すべき状態なのか」といった最初の一歩から相談できる機関です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーが配置されているため、幅広い相談ができます。また、介護保険の申請手続きの代行をしていることもあります。
一点注意すべきなのは、センターごとに管轄する地域が決まっていることです。基本的には管轄外地域の方への支援は行なっていません。事前にインターネットや地域で発行されている介護保険のパンフレット、市の窓口で担当の地域包括支援センターが調べられるため、確認してから相談するようにしましょう。
居宅介護支援事業所
要介護認定を受けた方が自宅で生活するための計画やサービス調整を行う事業所です。
所属するケアマネジャーは、必要な介護サービスを組み合わせたケアプラン(介護サービス計画)を作成し、実際にサービスを提供する事業者への連絡や調整を行います。調整のみならず、利用者や家族からの相談に応じ、介護のサポートをしていきます。
介護保険サービスを利用することになれば、担当のケアマネジャーがつくことになるため、「どこに相談すれば…」というような不安は解消されるでしょう。
しかし基本的には要介護認定を受けた方が対象の窓口のため、前述した地域包括支援センターのように、介護における「はじめの一歩」のような相談機関とは異なることを把握しておきましょう。
自治体の担当窓口
介護保険サービスの利用に必要な「要介護認定」は、自治体の介護保険担当窓口に申請することになります。
介護保険をいざ使うという段階でなくとも、「適切な相談先がわからない」「今の状態で介護保険を申請して良いものか」という相談から可能です。相談内容によって、より適切な相談窓口やサービスの紹介をしてもらえる場合があります。
住んでいる地域にはどのようなサービスや相談先があるのかといった最初の情報収集で利用しても良いかもしれません。
市区町村社会福祉協議会
社会福祉協議会では、高齢者や障害者の在宅生活を支援するため、さまざまな福祉サービスを提供しています。また、ボランティアの活動先の紹介や相談のほか、高齢者や障害者、子育て中の方が集うサロン活動を行なっています。
ボランティアの情報や介護に対する悩みを共有できる集いを知りたいという場合におすすめの相談先です。
「実際に介護を経験した方の話を聞きたい」「介護をしている人と繋がって悩みを共有したい」というような希望がある場合、社会福祉協議会が実施するサロンに参加し、新たな人間関係を構築するのも良いでしょう。
医療機関の相談窓口
規模にもよりますが、病院には医療福祉に関する相談室が設置されています。多くの場合、医療ソーシャルワーカーや退院調整看護師が設置されており、療養中の困り事や、入院費、退院後の生活における相談に対応しています。
また、前述したような地域包括支援センターや介護施設といった病院外の機関とも連携が可能です。例えば、急な病気により介護保険申請をした場合、必要に応じて医療ソーシャルワーカーと地域包括支援センターの担当者が連携し、退院後の生活を支援していくこともあります。
病気や怪我をしてはじめて、介護に関する本格的な相談をするといったケースは少なくありません。そのような時には、まず病院の相談室を活用しましょう。
民生委員
民生委員は、厚生労働大臣から委託されたボランティアです。地域住民でその地域の実情をよく知る方が選ばれる対象になります。民生委員には守秘義務があり、相談者の秘密は守られます。
身近な相談相手として悩みを打ち明けられる存在です。自分の地域の担当者を知りたい場合には、自治体の窓口に確認してみましょう。
インフォーマルサービス
「インフォーマルサービス」とは、家族や近隣住民、NPOやボランティアなどの公的なサービス以外の支援のことです。相談先と聞くと公的な窓口が思いつくかもしれませんが、インフォーマルな存在も介護者にとって大切な相談先になり得ます。
「介護を経験した友人に共感をしてもらえて、気持ちが楽になった」というように、公的な窓口以外への相談も自分の支えになることを意識しておきましょう。
相談先に悩む場合には
本記事では7つの相談先を紹介しましたが、介護を初めて経験する場合や急に介護が必要となり慌てている場合には、「どこに相談したら…」と思い悩むかもしれません。
相談先に悩む場合には、まずは地域包括支援センターや自治体の窓口に相談しましょう。急な病気などで今現在入院している場合には、まずは医療機関の相談窓口に相談し、助言を受けましょう。
そうすることで、情報整理をしてもらえ、適切なサービスや窓口へ繋がる可能性が高いと考えます。
一人で悩むことは介護者自身の大きな負担になります。「ここで合っているのか」など深く考えず、まずは相談してみましょう。福祉に関する相談窓口はお互いに連携を取る機会が多いため、声をあげれば適切な相談窓口に繋がる可能性は高くなります。
介護に関する悩みは一人で抱え込まず、まずは誰かに相談しましょう。